2019のクリスマスプレゼントで「 87系気動車 トワイライトエクスプレス瑞風」を頂きました。(サンタさんには感謝&感激)
いざ入手できるとなると、KATO製品・TOMIX製品のどちらを選ぶべきか、非常に悩みどころです。メーカごとの仕様の違い・価格・走行させてみて分かった注意点を簡単にまとめたので、購入を検討している方の参考になれば嬉しいです。
また、お座敷レイアウトで試験走行(遊んだだけ)をした際の写真を載せています。
KATO製か、TOMIX製か
瑞風の購入を検討すると、必ず迫られる究極の選択。ほぼ同時期にリリースされた瑞風は、各社それぞれ注力したポイントが異なっています。
様々な方のブログを拝見すると、外観のディティールを重視するならKATO、内装のディティールを重視するならTOMIXというのが定説となっているようです。
下記に、メーカのホームページに公開されている情報を、それぞれまとめてみました。
KATO製品の特長
外観のディティールに力を入れたKATO製品。 特徴的な緑色は、前身である客車列車のトワイライトエクスプレスから引き継がれているものの、全く同じ色を使っているわけではありません。細かいラメを含んだ深緑色の新しいトワイライトカラーを、KATOは力を入れて再現しています。10両のフルセット販売のみで、室内灯は内臓していません。そのためTOMIXほど高価ではありません。しかし、室内灯まで再現しようとすると、別売りの LED室内灯クリア(電球色) を10両分用意する必要があり、その場合は総額42,480円。TOMIX製のフルセットとの価格差は5,000円を切ってしまいます。これがまた、メーカ選びの悩みの種ですね・・・
- フルセット (10両)・・・ 36,000円(税抜)
- LED室内灯クリア(電球色) 品番:11-213 ・・・ 720円 (税抜)×4
- LED室内灯クリア(電球色)(6両分入) 品番:11-214 ・・・3,600円 (税抜)
TOMIX製品の特長
TOMIXは「これでもか!」と言わんばかりに、内装の再現に力を入れています。フルセットで48,000円(税抜)という高級品というだけあり、コストをかけて良いものを作ったという印象です。室内灯は初めから取り付けられており、各車内の天井照明以外にもルームランプや間接照明が一部再現されています。
イキナリ5万円はハードルが高い・・・という方向けに、フルセット (10両)とは別に基本セット(5両)と増結セット (5両) がラインナップされています。 基本セット・増結セットでも室内の作り込みはフルセット同様なので、スモールスタートしたい方向けの選択肢になりそうですね。(両方購入した場合はフルセットと同価格)
- フルセット (10両)・・・ 48,000円(税抜)
- 基本セット (5両) ・・・ 28,000円(税抜)先頭車2両+中間車3両
- 増結セット (5両) ・・・ 20,000円(税抜) 中間車5両
著者はKATO製を選択
KATOは外観・TOMIXは内観。はて、どちらを重視しようか…。
やはり、KATO派の筆者は前者を選ばざるを得ませんでした。完成されたTOMIXを選ぶよりも、個人で手を入れる要素が残されたKATO製品に魅力を感じました。最終的にKATO製を選んで後悔は全くないし、とても満足しています。
KATO 瑞風を開封!
普段はKATOオハ31系客車などの古い製品ばかりいじっているので、最新のKATO製品というだけでテンションが跳ね上がるのなんの…
1編成10両なので、一つのブックケースには収まりません。一つの厚紙スリーブに 二冊のブックケースが 入っている仕様です。
トワイライトカラーに浮かぶ、金色のデザインが高級感を感じさせます。
二つのブックケースは同じデザイン。
それぞれのブックを開封した様子。1~5号車と、6~10号車で分かれています。
室内灯の組み込み
光源は「 LED室内灯クリア(電球色) 品番:11-213 」及び「LED室内灯クリア(電球色)(6両分入) 品番:11-214」を使用します。 「LED室内灯 クリア」付属の光拡散パーツは使用せず、LEDの実装された基板のみを使用します。 KATO瑞風は、室内灯の光源を搭載していないものの、LED光を拡散させる各車両専用の導光パーツを付属しています。 先頭車やラウンジカーなど、標準の導光パーツを使えない部分があったのでしょう。
お座敷レイアウトで初走行!!
複線高架橋(風)の変形ドックホーンを組んでみました。一周するのに二分ほどかかる長大レイアウト。いろいろな角度で瑞風を堪能しました。
直線急勾配を上る瑞風(右側を順進行しているのは見逃してほしい・・・)
ドックホーンの終端ループを回る様子。床に反射する室内灯の光がとても美しいですね・・・。
尾灯(テールライト)に焦点を合わせた写真。赤い二つのランプが道床を照らし去っていく姿は実機・模型問わず、儚くて美しい姿だと改めて感じました。
10号車(最後尾)にフォーカスした様子。十個の電球色の灯が、瑞風独特の高級感を演出しています。
中間車にフォーカスして・・・これは酒が飲める。
10両編成は見ごたえ抜群です。レールに囲まれ、そこを走る瑞風を眺めて飲む酒はうまい。
走らせてみて分かった注意点!
新しい車両が入線したり、お座敷レイアウトを組んだばかりの段階は走行トラブルがつきものです。今回もなめらかに走行できるまで、いくつかの障害が発生しました。ここでは原因と注意点・回避策を紹介します。基本的には、どれもメーカの模型仕様を満足する走らせ方をすれば問題は発生しません。
- 上り勾配で空転
- カーブで脱線
- 足周りの線路接触
1.上り勾配で空転(標準通過勾配4%を守ろう)
お座敷レイアウトの上り勾配で何度か空転を起こしました。斜度を調べてみると 1.5mの距離で8cm上昇する坂となっており、パーセント表示に直せば5.3% (8÷1.5) になります。これは十分急勾配と言える傾斜です。
メーカ公開の仕様を調べたところ、標準通過勾配は4%でした。これでは登るはずもない・・・。坂の長さを1.5m→2mに変更したところ、(丁度4%)空転することもなくスルスル登りました。仕様通りの 車両に優しいレイアウトを設計しましょう。(そもそも10両牽くの、相当重そう・・・)
2. カーブで脱線(最少通過半径R249を守ろう)
エンドレスレイアウトを組み、走らせると必ず同じポイントで脱線してしまうことがありました。原因はレールジョイナーの遊びにより、カーブ全体の半径がレールに刻印された半径よりも小さくなっていることでした。
KATO瑞風の最少通過半径はR249です。お座敷レイアウトではR249をドックホーン両端のループ線で使いました。これ以下の半径のカーブは、列車が干渉してうまく曲がることができません。最少通過半径を確保できていれば問題なく通過できるはずですが、レールを何本も連ねることでジョイナーの遊びが蓄積し、カーブ半径を小さくする方向に歪んでいました。
では、最少通過半径のカーブではどれくらいのクリアランスがあるのでしょうか。R249のカーブレールに6~10号車を配置してみます。確かに窮屈層ではありますが、問題なく走行できます。
連結部をアップしてみます。
8号車と9号車の間です。これは狭い!
真上から見た様子。内側は2mm程度しかクリアランスがありません。固定レイアウトのようにレールを完全に固定できれば良いですが、お座敷ではどうしても何かの拍子にレールをずらしてしまうことがあるので、R249よりも大きい半径で使用するのが無難かもしれませんね。
3. 足周りの線路接触(レールジョイナーの段差に気をつけよう)
取説では特に触れられていませんが、瑞風の足周りはレール踏面すれすれです。急な勾配の変化(特に勾配から平面へ遷移する部分)では足周り機器と踏面の距離が縮まり、接触の危険性が高まります。標準通過勾配を守っていても、ジョイナー部分でレールに段差があると床下機器が引っかかり、最悪脱線してしまうことがありました。特にお座敷レイアウトでは線路面が不安定になりやすいので注意が必要です。
まとめ
今回はKATO及びTOMIXのリリースした「トワイライトエクスプレス瑞風」について簡単に紹介したました。どちらのメーカも作り込みは非常に繊細で、先頭車(最後尾車)に施された5本の金色のラインや、ボディ全体の鮮やかなトライライトカラーは実に美しいです。それぞれ注力したポイントは異なるけれど、どちらも極めて高い完成度であることに違いはないでしょう。
これから瑞風の購入を検討する人の参考になれば幸いです。