3Dプリンタを導入したはよいものの、作業スペースがなく床に直置きしている状態でした。3Dプリンタ本体の他に、スクレーパーやフィラメント・その他工具もまとめて保管できるスペースが欲しいなと思い、専用の作業台を作ることにしました。
設置場所はココ。薪ストーブと冷蔵庫の間にある約110cmの空間です。まとめて購入したELGOO NEPTUNE2とMARS3、MERCURY PLUSを並べています。三台を常時並べておくならもう少し幅が欲しいところですが、常設できる場所が他にありませんでした。
作業台の設計
まずはすぐに入手できる材料を確認するため、近所のホームセンターに向かいました。基本的な構造材はコスト・入手性を考えて2×4(ツーバーフォー)材にするつもりでしたので確実に入手できますが、ネックとなるのは天板です。天板は奥行きが250mm,300mm,450mm,600mmなどが市販されていますが、ちょうどよいデザイン・寸法の化粧板があるかは分かりません。色々と検討した結果、奥行き300mmX1920mmの板2枚を並べて使うことにしました。
設計はこちらのサイトを参考にしており、幅と高さをアレンジしています。幅は1100mm,奥行は天板の規格から600mmです。
天板が2枚並べるため、間に一本の梁を追加しました。
材料の調達
2×4の6フィートを6本、300×1920の天板2枚、その他金具などの小物で合計約12000円でした。2×4材自体は安いのですが、天板が一枚で4500円もします。材料費のほとんどは天板が占めてしまいました。化粧板って高いですね・・・
大きなホームセンターには木材・鋼材などをカットしてくれるサービスがあります。専用の大型工作機械を使ってカットしてくれるので、スピーディーに、かつ端面を美しく仕上げてくれるので、いつも積極的に利用しています。今回もカットサービスを利用し、軽トラ(レンタル料無料)で自宅まで運びました。
軽トラの荷台に載せるとしょぼい量に見えますが、組み立てるとかなりの重量物になるため、底面には4か所にキャスターを取り付けて移動しやすいようにします。
材料一覧です。
2×4材組み立て用治具の作製
これだけの数の木材をねじ止めするため、下穴の数もかなり多くなります。一本ずつ定規をあてて穴位置を書き込むのは非効率なので、3Dプリンタでポンチ打ちの治具を作ります。今回はNEPTUNE2の実力を測りたいこともあり、細かい文字も入れてみました。↑これは2×4材の端部にはめ込んで使う治具です。
内側の寸法は2×4材がすっぽり入るようにしています。38mmX89mmピッタリにするときつくて入らないと思ったので、40mmX90mmとしました。(事前にノギス2×4材の寸法を計測したところ、吸湿してそれぞれの寸法が+0.5mmずつ大きくなっていました。)
印刷には4時間ほどかかりましたが、ほぼ設計通りの寸法で出力できました。
8mmの高さとした「2×4 HOLE JIG」はきれいに出ていますが、4mmにした寸法のテキストは部分的ににつぶれてしまいました。端面用6か所穴の皿穴はきれいに出力できています。
この穴にポンチを差し込むだけで、すべての木材に対して同じ位置に下穴をあけることができます。
続いて側面用の治具も設計します。2か所の切り欠きは、ここに鉛筆を当てがい、治具ごとスライドすることで直線を引けるようにするためのものです。
裏は樹脂節約のための肉抜きしました。1.5mmほど掘り下げています。
こちらは高さも低いこともあり、2時間もかからず完成しました。直線引き機能もちゃんと使えそうです。
組み立て
そのままの色でもよかったのですが、せっかくなので塗装することにしました。塗料は「SOLID COLOR」のダークブラウンです。SOLID COLORは布やスポンジで刷り込むだけでイイ感じに仕上げることのできるお手軽便利アイテムで、以前から愛用しています。私は木目が好きなので、木材の年輪がきれいに浮かび上がるブラウン系の塗料をよく使っています。
材料も治具もそろったのでちゃちゃっと組み立てます。部屋中木くずだらけになりましたが、何とか一日で組み上げることができました。(強度や使い勝手を考え、奥の梁は横向きから縦向きに変更しました)
足がダークブラウンで天板が明るい木目調だったのでデザイン的にいかがなものかと思っていましたが、これはこれでよい組み合わせで気に入っています。
下からの視点です。あとはプリンタや2次硬化マシン用の電源配線など細かい作業は残っていますが、ひとまず専用ブースを用意することができました。
横の梁の高さはちょっとしたこだわりポイントで、FDMのフィラメントの箱やレジンを保管できる高さとしました。キムワイプは・・・若干はみ出していますがまあ問題ないでしょう。ちなみに225mmです。
実際に運用を始めてみて、あれこれ見直しが必要なところが見えてくると思うので、その都度対応していくことにします。ひとまず今回はほぼ思い描いたとおりのモノができたので良しとしましょう。