基本的にWEBページや担当の方の指示に従えば問題はありませんが、経験を踏まえて補足を書いてみました。初めてななつ星に応募しようとされている方の参考になれば幸いです。

1.応募

申し込みは旅の約半年前に専用ホームページから1か月間可能になります。

我々が応募したプランは2025年10月14日~17日の雲仙コースでしたが、今回の申し込み期間は2025年4月1日(火)10:00 ~ 5月10日(土)23:59の約一か月間でした。我々の場合は4月8日に申込しました。

具体的な申し込み期間の発表は、更に1か月前(出発の7か月前)からななつ星のホームページでPDFパンフレットとして告知されていました。過去の日程も確認しましたが、同じような日程感で募集しているようです。

応募時には第一希望、第二希望を入力することができ、プランも日程も自由に選択することができます。我々の場合はどうしてもDXスイートAが良かったため、第一希望:2025年10月14日~17日のDXスイートA、第二希望は次の週のDXスイートAとしていました。

また申し込みフォームには要望を記入する欄がありますが、積極的に記載することをお勧めします。ここに「新婚旅行」や「結婚○○周年記念」など書いておくと旅の途中、クルーの皆さんが全力でサプライズを仕掛けてくれます。私の場合は妻の誕生日が近いことと、お付き合いを開始した日が近かったこと、実質新婚旅行であることなどを記載したところ、旅の中で数えきれないサプライズや演出をして頂けました。

夕食を終えて客室に戻るとこんなサプライズが!

2.結果通知

約二か月後の5月27日、A4サイズの封筒が届きました。

真っ赤なJR九州のコーポレートカラーです。この時点でデザインが洗練されています。普通ではない郵便物のオーラを感じますね。

通知の内容は「当選」もしくは「キャンセル待ち」の2パターンです。(当たらなかった場合でも「落選」とは書かないあたりが既に気遣いを感じます。)
我々は幸運にも当選となりました。封筒には厚紙が一枚入っており、裏面には今後のざっくりとした流れが記載されていました。

結果の通知書(表)
結果の通知書(裏)

この時点で詳細な申込書類などは同封されておらず、後日に別途送付されるとの記載があります。

ちなみに「キャンセル待ち」となったからと言って、完全に可能性が断たれたわけではありません。

参加者の年齢層が高いせいもあるのか、キャンセルは実際にちょくちょく発生するようです。現に今回の旅のDXスイートBのご夫婦はキャンセル待ちとして繰り上げ当選したとおっしゃっていました。

またこれまで最も多くリピートされている方の乗車回数は11回だそうですが、その方はかなりの回数を繰り上げ当選で乗られているとのことでした。「この人なら枠を埋めてくれるはず」というある意味JR九州からの信頼なのかもしれませんね。

3.電話による参加確認

結果通知が届いた次の週に担当の方から電話での参加意思確認がありました。当選した乗客には一組に一人ずつ担当者(クルー)が付きます。手続きが完了して実際に乗り込むまで、様々なサポートや対応をして頂きました。

(ちなみにななつ星への乗車後の担当者とは必ずしも一致しないようです)

この段階では「参加させて頂きます」と答えるだけです。担当者としての挨拶も兼ねていました。

4.正式な申し込み

電話での参加確認から約2週間後、レターパックで申込書類が届きました。レターパックは切手がななつ星の切手が使われていました。こういった細かい演出ひとつひとつが旅に対するボルテージを上げてきます。
(ななつ星切手は、どうやら過去に一般販売されていた時期があるようです)

「ご旅行申込書」が同封されており、これを記入して返送→代金の一部もしくは全部の支払いを完了することで正式な受付(契約の成立)となります。
申し込み書にはそこまで多くの情報を記載することはなく、主に以下の2点がポイントです。

  1. 今後のご連絡方法(メールor電話)
  2. 代金の支払い方法(クレジットカード決済or銀行振込)

電話での手続きの選択肢は高齢者向けの対応と思われます。実際、旅の間もご高齢の乗客の場合は半ば介護のようになっているシーンを見かけました。

今回のプランの場合、代金の支払い方法は頭金(今回の場合は66万円/申し込み時)と残額(264万円/出発3週間前まで)を別々に払う方法と、申込時に一括で330万円を支払う方法があります。

つまり、旅行代金を用意するデッドラインは申し込み時点(出発の約3か月前)までに頭金、出発の三週間前までに残額ということになります。

今回、我々は頭金と残額を別々に支払う方法としました。クレカの場合は枠に余裕があるか事前にチェックしておきましょう。今はほとんどのカード会社で一時的な枠の拡大手続きはオンラインで完結するため、そこまで大変な手続きではありません。なおクレカ決済にしておけば結構なポイントが期待できますね。

「ご旅行申込書」を発送すると、数日で担当クルーからメールの連絡が来ました。同時にクレカ決済用のシステムからメールが届くので、このメールが届いてから一週間以内に決済を完了させましょう。

5.お伺い書

出発の約2か月前に「お伺い書」なるものが届きます。これは食事のアレルギー情報や食べられないもの・健康状態を記載したり、旅の途中で選べるエクスカーションを回答するアンケートのようなものです。

なおお伺い書は紙で届きますが、こちらも連絡手段を「メール」と連絡していたのでメールにて回答でOKです。

我々の場合、妻が甲殻類アレルギーのためその旨を記載しました。アレルギー対応についてはそこそこの旅館や料亭であっても忘れられていたり対応が不十分だったことを稀に経験していたため一抹の不安はありましたが、ななつ星の旅の中では徹底してこれらの情報が共有されていました。しかも、毎食出てくるすべてのお品書きが専用に作成されていることには脱帽です・・・。

(お品書きが出てくるコースの場合、一般には口頭での補足に留められるか、よくて手書き修正という対応が多いと思います)

健康上の不安がある場合はお伺い書に記載しておきましょう。ホスピタリティの塊のようなクルーの皆さんが、全力でサポートしてくれます。アレルギーや食べられないものについても、アレルギーの程度や料理の出し方の可否について詳細に確認の電話を頂き、妻が確実に食べられるものを提供頂くことができました。中にはエビよりもそっちの方がいいな・・・と思える代替食材が使われていることも。

エクスカーションは3泊4日の中で3回ありました。ざっくり言えば、「停車中の車内に留まる」or「外に出て○○体験や△△散策などのアクティビティを楽しむ」かを選べるものです。

二日目のエクスカーション。車外に出るプランを選ぶと阿蘇からバス移動となり、昼食会場のお寺で盆石体験を楽しむ。車内滞在を選ぶと熊本駅まで列車で移動し、その間は駅間の落差188mをスイッチバックで通過するシーンを楽しむことができる。

我々の場合、「車外の体験は行けばできるが、車内は今しか楽しめない」という思想の元、徹底して車内に引きこもる選択としました。車内に留まっていたとしてもルームサービスは利用可能ですし、ラウンジも常にあいているので十分に楽しむことはできます。むしろ、ほとんど他の乗客がいないラウンジを独り占めできる貴重な時間を過ごすことができました。

誰もいないラウンジカーをふたり占め。

また「お伺い書」の他に工程表や社内サービスのパンフレットも同封されているので、この辺りからだいぶ旅に対する解像度が上がってきます。

6.最終日程表・荷物発送伝票

出発の2週間前に詳細スケジュールの書かれた「最終日程表」が届きます。各駅の到着時間/発車時間や駅で開くドアの位置など詳細情報が確認できます。この小さな冊子は旅の間ずっと参照することになるため大切に保管しておきましょう。(車内で押せる記念スタンプの欄もあります)

また荷物の事前発送用伝票も同封されています。発送元も宛先も既に記載してくれているのでめちゃめちゃ楽です。事前発送する荷物に取り付けるななつ星専用ネームタグや、本革で作られた「皮タグ」も同封されています。10年後には経年変化し、ななつななつ星の車体色(古代漆)に近いワインレッド色に変わると言われています。旅のコンセプトである「新たな人生にめぐり逢う、旅。」に恥じぬ、なんとも粋な計らいです。私は旅行で使う手持ちのかばんにつけて向かいました。

皮タグ
皮タグ
ネームタグ(事前発送する荷物に取り付けておく)
ネームタグ(発送する荷物に取り付ける)

事前発送する荷物はしっかり期日通りに手配しましょう。荷物は車内の客室まで運んでおいてもらえます。(返送時も車内に置いておけばOKです)

手続きは以上です。
自由度が高いななつ星ですが、選択肢が多いので「自分が旅に何を求めるのか」を考えて選ぶとよりよいクルーズになるのではないでしょうか。