ものづくりが好きになったきっかけ

ものづくりが好きになったきっかけ

小4の時に、とある絵のコンクールで部会長賞を受賞した。その表彰式で、副賞としてカブトムシロボットの組み立てキットをもらった。ロボットといっても、小型のラジコンに使われるような数百円のギヤボックスと、簡単なクランク機構で六本足が動くようなもの。ちゃんと説明書を読めば、小4でも十分組み立てられるものだ。

これが全ての始まりだった。

家に持ち帰って、数十分でロボットは完成した。電池を入れて、スイッチを入れると脚が前後してゆっくり前に進む。正直、このときはあまり感動がなかったような気がする。なぜかと言うと、説明書通り組み立てれば誰でも作ることができるからだ。自分の好きにできないと面白くないと当時から思っていた。( 作ったり描いたりするときは他の子と同じのはイヤ、自分の好きなようにしたいと考えていたので、まわりの子からすると変なヤツだったのだろう)

でもこのカブトムシロボット、完成品は大して面白くなかったのだが、この動力として使われていたギヤボックス。これには興味が湧いた。電池を繋げば回るのである。当たり前?そう。当たり前なんだけれど、これってうまく使えばカブトムシロボットみたいに好きなものを自由に走らせられるんじゃないかと思った。

私は昔から鉄道が好きだった。特に、SL(蒸気機関車)が大好きだった。なので家にあるものでこのSLを作ろうと思った。ペットボトルのキャップにキリで穴を開けてギヤボックスのシャフトに差し込む。ボイラーはトイレットペーパーの芯、運転室は牛乳パックで作った。竹串とペットボトルのキャップで空回りする車輪を作って牛乳パックに取り付け、客車も何両か作った。ギヤボックスと電池を繋ぎ、スイッチを入れると…

機関車は走り出した。ビニール紐で繋いだ客車を引っ張って、ウィンウィンと唸りながら進んでゆく。

超楽しかった。その時は電池が切れるまで、家の中をドタバタと機関車を追いかけて遊んでいた。

それまでも、ダンボールを切ってガムテープで繋いで遊んでいたりはしていたが、このとき初めて私は「電気」に触れ、同時に無限の可能性を感じた。

完成品の挙動だけ見ると、カブトムシロボットとなんら変わらない。スイッチを入れると進むだけだ。でも、「自分が好きに作ったものが動いた」ことがめちゃめちゃ嬉しかった。嬉しすぎて、紙袋に入れて学校に持って行ったりもした。みんな「スゲー!」と言って喜んでくれたのをよく覚えている。

私にとってこのギアボックスは自分が作ったものに命を吹き込む魔法の部品になった。

その後は親にねだってホビーショップに連れて行ってもらい、他のギアボックスや豆電球、スイッチなどをお小遣いを貰うたびに買っていた。

もちろん、普通の子供のように秘密基地作ったり、ゲームしたりして遊んでもいた。でもそれと同じくらい、もしくはそれ以上にモーターと電池・ドライバーで遊ぶのが楽しかった。

そんな感じで私のものづくりライフが始まった。中学生くらいの頃は机に向かっている時間は長かったが、殆どの時間は、握っているのは鉛筆ではなく半田ごてだった。

今思えば、火事になりかねない危険な実験も数多くやっていた。化学の実験に凝っていた時期はガスボンベから可燃性ガスを取り出して燃え方を観察したり、花火をバラして火薬を取り出したり、塩水を電気分解して水素を取り出したりもした。それらを燃やしたときの炎で何回網戸に穴を開けたか分からない。真っ白だった天井も、ガスを燃やしたときのススで真っ黒い模様もつけた。でも、親は「火事にだけはしないでよ〜」とだけ言って、「やめろ」とは言わなかった。(いや、覚えてないだけで言ってたかもしれない。でも少なくとも、印象に残るほど強くは言ってなかったと思う)

それだけ寛容に見守ってくれたおかげもあり、今でもものづくりが大好きだし、好奇心も人一倍あると思っている。好きにやらせてくれた両親に感謝しつつ、今後もものづくりの原動力である、好奇心を大切にしていきたい。

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